太陽光発電システムの保護装置

· 読了時間:約6分 ·

ヒューズ、断路器、遮断器、SPD、漏電保護、接地の役割を学ぶ図解ガイド。直流側と交流側の違いも確認できます。

直流側と交流側では危険が異なる

パネルからインバーターまでは直流(DC)が流れ、ストリングによっては数百Vになります。インバーターから分電盤までは交流(AC)です。それぞれに適した保護装置が必要で、直流側には直流定格を持つ機器を使います。外観が似ていても、交流用機器をそのまま流用できるとは限りません。

交流には周期的な電流ゼロ点がありますが、直流にはありません 交流(AC) 毎秒100~120回、電流がゼロになり、 その際にアークが消えやすくなります 直流(DC) 周期的な電流ゼロ点がなく、 アークが持続するため直流用機器が必要です
一般的な交流用遮断器を直流側に使うと、電流を安全に遮断できない場合があります。

各保護装置の役割と位置

操作して学ぶ

各保護装置をどこに置く?

装置を選ぶと役割が表示されます。SPDは電線と接地の間に分岐接続します。

直流側(DC)交流側(AC)接地

SPDは分岐接続します。主な電力経路の途中へ直列に入れるのではなく、電線と接地の間に接続します。SPDの分岐、架台、機器の金属筐体は適切な接地設備へ接続します。

ストリングヒューズ

DC

並列のほかのストリングから流れ込む逆電流に対して保護します。特に3列以上の並列では、モジュールの許容値に基づいて必要性を確認します。

設置場所: 接続箱内、必要な各ストリングに設置

直流断路器

DC

保守時にパネルとインバーターを切り離します。インバーターに内蔵される場合もあります。開閉能力と操作手順を確認してください。

設置場所: 接続箱とインバーターの間

直流SPD

DC

近傍の落雷などによるサージを接地側へ逃がし、インバーターを保護します。

設置場所: 接続箱内、接地へ分岐接続

交流遮断器

AC

インバーターと分電盤の間の配線を過負荷や短絡から保護し、回路の切り離しにも用います。

設置場所: インバーターの交流出力側

交流SPD

AC

電力系統などから侵入するサージに対して保護します。

設置場所: 分電盤内、インバーター回路付近

漏電保護装置(RCD)

AC

大地へ漏れる電流を検出して遮断します。感電保護などに使いますが、必要な感度・形式は接地方式とインバーターの仕様に合わせます。

設置場所: 分電盤内の適切な回路

接地

接地

架台、筐体、SPDなどを接地母線と接地極へ適切に接続し、電位差を抑えて故障電流やサージの経路を確保します。

設置場所: 建物の接地・等電位ボンディング設備と整合させる

接地を正しく行う

  • パネル架台、インバーター筐体、SPDを適切な接地設備に接続する
  • パネル側の接地を、孤立した接地棒だけにせず、建物の接地方式と整合させる
  • SPDの接続線は短く、不要なループを避ける。長い配線や巻いた配線はサージに対するインピーダンスを増やす

SPDの動作

  1. 1
    通常時

    電線と接地の間に接続されたSPDには、通常ほとんど電流が流れません。

  2. 2
    サージ侵入時

    近傍の落雷や系統の開閉で電圧が上がると、SPDが一時的に導通してサージ電流を逃がします。

  3. 3
    劣化

    サージの繰り返しで劣化します。交換時期を示す表示窓を備えた機種もあります。

クラスI直撃雷電流の流入を想定する場所など。雷保護設計に基づいて選定
クラスII分電盤や接続箱などで使われる種類
UcSPDの最大連続使用電圧。低温時のストリングVocなどに適合させる

よくある施工上の間違い

行うこと

  • 直流用途とストリング電圧に適合する装置を使う
  • 極性指定のある直流遮断器は指定どおりに接続する
  • SPDから接地までの経路のインピーダンスを抑える
  • 太陽光発電や複数電源の存在を警告表示する

避けること

  • 直流側に適合しない交流用遮断器やスイッチを使う
  • 接地が不適切なままSPDを取り付ける
  • 互換性が確認されていない異なるメーカーのコネクターをかん合する

規格・点検・責任

  1. 1
    外観の点検

    接続箱や分電盤の変色、発熱の跡、焦げ臭さは異常の兆候です。安全を確保し、専門家へ相談します。

  2. 2
    接続部の確認

    緩んだ端子は発熱します。専門家が安全に切り離したうえで、指定トルクと点検手順に従います。

  3. 3
    SPDの表示窓

    交換表示が出たモジュールを、メーカーの指示に従って交換します。

  4. 4
    RCDの試験

    取扱説明書に従い、テストボタンによる動作確認を行います。

  5. 5
    インバーターの履歴

    アプリや画面で故障履歴を確認し、繰り返す異常を見逃さないようにします。

図で保護装置の位置を確認

下の図では、接続箱に直流側の保護装置をまとめています。インバーターの後には交流遮断器、SPD、漏電保護装置があり、SPDは接地へ分岐接続されています。部品の位置だけでなく、電流の主経路と保護用の分岐を区別して読んでください。

Editor Solarで図を描く

この記事の図を読み込んだEditor Solarです。機器を移動し、ラベルを変更し、部品を接続して、PNG・SVG・PDFで書き出せます。無料で、すべてブラウザー上で動作します。

インバーターの前後に直流・交流の保護装置を配置。SPDは接地へ分岐接続します。

試してみましょう: 各装置の名称と定格を追記しましょう。SPDは主な電力経路へ直列に入れず、分岐接続のままにしてください。

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