太陽光発電システムの損失と性能比(PR)
発電量を減らす損失を、温度・汚れ・ケーブル・影・インバーターの面から解説。性能比を確認し、損失を調整できます。
実際の発電量が定格より小さい理由
5 kWpのシステムでピークサンアワーが5時間なら、「本来は」1日25 kWh発電するはずです。実際にはそれより少なくなります。太陽からコンセントまでの各段階で、少しずつ失われるからです。この損失は正常で、予測できます。
エネルギーはどこへ行くのか
温度
約5〜12%高温のパネルは効率が下がります。一般に、25 °Cを超える1 °Cごとに出力が0.3〜0.4%低下します。
汚れ
約1〜5%ほこり、落ち葉、すすは光をさえぎります。雨の多い場所では雨が洗い流しますが、乾燥した場所では掃除がより重要です。
ケーブルと接続部
約1〜3%細いケーブルや不良な接続は発熱し、エネルギーを熱として無駄にします。
影とミスマッチ
約1〜10%1列にかかる影はストリング全体の電流を下げ、性能の違うモジュールは互いを制限します。
インバーター
約2〜4%DCからACへの変換は完全ではありません。現在のインバーターの効率は、データシートで約96〜98.5%です。
性能比(PR)
性能比(PR、performance ratio)は、すべての損失をひとつの数字にまとめたものです。理論上の電力量のうち、実際にシステムの出力まで届く割合を表します。この基準には、パネル面の日射量を、出力した電力量と同じ期間で測って使います。
損失を調整する
それぞれの損失を動かして、理論値がインバーターの出力まで減っていく様子を見ましょう。損失は掛け算で効きます。各段階の損失は、前の段階で残った量にかかります。
減らせるもの
| 典型的な損失 | 減らせるか | |
|---|---|---|
| 温度 | 5〜12% | 一部可能:モジュールの裏側の通気で |
| 汚れ | 1〜5% | 可能:清掃で |
| ケーブルと接続部 | 1〜3% | 可能:適切な太さのケーブルと確実な接続で |
| 影とミスマッチ | 1〜10% | 可能:パネルの配置、オプティマイザー、マイクロインバーターで |
| インバーター | 2〜4% | 少しだけ:効率のよい機種を選ぶ |
容量決めでの使い方
パネルが何枚必要かを計算するとき、総合的な性能係数80%(「システム効率」)は、ピークサンアワーがパネル面のものであれば、PRに相当します。屋根に影がある、または非常に暑い地域では小さめの値を、清潔で通気のよいシステムならやや大きめの値を使います。
- 簡単な見積もりは80%から始める
- 影、猛暑、通気のない設置では70〜75%に下げる
- 85%まで上げるのは、通気のよい設計と、それを裏づけるシミュレーションがある場合だけ
- 設置後は実際の発電量と比べて、今後の計画に使う値を調整する
Editor Solarで図を描く
この記事の図を読み込んだEditor Solarです。機器を移動し、ラベルを変更し、部品を接続して、PNG・SVG・PDFで書き出せます。無料で、すべてブラウザー上で動作します。
試してみましょう: ご自宅の屋根に当てはまる損失(影、暑さ、長いケーブルなど)を図のテキストに書き込み、性能比の計算をやり直しましょう。
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